うちの特徴は深く濃い呉須(ごす)の青色です。呉須とは絵付けに使う絵具のことで、何百種類とある呉須と、何百種類とある釉薬の組み合わせを試行錯誤して、この青にたどり着きました。あと、絵の線も細かいでしょ。ぱっと見てわかるよね、一所懸命頑張ってるというのが。笑 もう30数年やってるけど、最近はますます線を細かくしてやろうかなと思っています。絵付の技術は人によって大きな差があるわけではないので、1ミリでも今のその先へ行けたらと思い続けています。なんて、たまにはカッコイイことも言うんですよ。
世の中にないものを作りたい。誰も作ってこなかったものね。そのためには技術だけではなく、遊び心も大事。例えば、ラジオからスキマスイッチの歌が流れていたので、絵の隙間にスイッチを描いてみたり、足が斜めになって不安定な千鳥足の器に千鳥を描いたり。完全に親父ギャグ。それを見て笑ってもらうのも嬉しいんです。ネタ帳もありますよ。吉本に入った方が良いんじゃないですかってよく言われます。
名称 | 辻修窯 |
窯主 | 辻 修 |
住所 | 〒849-2305 武雄市山内町宮野1890-7 |
電話番号 | 0954-45-4905 |
FAX番号 | 0954-45-4905 |
営業時間 | 9:00〜18:00 |
定休日 | 日曜日 |
URL | https://tsujiosamu-gama.wixsite.com/website |
SHOP | https://tsujiosamugama.stores.jp |
技術がないのに仕事で遊んでいたら、それはただふざけているだけでバカにされてしまいます。伝統的な技術と独自の青を使って、一所懸命自由に遊ぶわけです。
根を詰めて緻密な絵を真面目に描いていると、それだけでは面白くなくなって、パッと閃いたものを自由に描き加えてみるんです。でも実は、自由に遊ぶことは大変なんですよ。余計な手間と時間がかかってしまうので疲れます。それでも遊ぶ。そして、遊びの先に、自分らしさの何かが表現できたとき、一瞬にして疲れが飛んでいくんです。
と言いつつ、やっぱり真面目。仕事中は静かにしています。ほとんど喋りません。大皿を1年かけて綺麗にビシッと作るのも好きなんです。なんちゅーかな、塩梅です。
不思議な絵を描いたり、変わった造形の焼き物を作るのも好きです。実家は有田焼の伝統的な赤絵をやってたんですけど、次男坊ってことで跡は継がずに18歳で京都の窯元に修行に出ました。そこにいた息子さんが前衛的な作家で「これは焼き物なんですか?」っていうものばかり作ってて。その人の影響は強いです。
若い頃はそれを真似て変なものを作っていましたが、まったく売れなくて。これは売れるもの作らないとと思いたどり着いたのが今の作風です。でも、最近も前衛的な作品を作りたいときがあって、専用の登り窯もあります。そういう作品は売ってはないですけどね。工房に展示しているので、見にきてください。