黒髪山の麓にある、赤絵付け工房です。白磁に上絵をつけています。
昔ながらの技法と絵の具を使っていますが、古典的な赤絵かというと、少し違うかもしれません。伝統的な絵柄や技術を使いながらも、どこか新しさ、今らしさを感じていただける器つくりを目指しています。
繊細な絵ですね、とよくお客様から言っていただきます。線の一つ一つを大事に描いているので、少しでもしっくりこないと、木の枝の向きや、魚の表情など、数時間かけた絵柄でも、消してしまうこともあります。妻からは「どこがどう気に入らないのかわからない」と言われますが、こだわりというか、妥協したくないところもあって。そういうところが繊細な印象に繋がっているのかもしれません。
春、夏、秋、冬、その時々の四季を感じてもらいたいから、季節感あふれる鮮やかさが出るように、使う絵の具の数も多いです。たとえば、同じ「もみじ」柄でも、紅葉している「もみじ」があり、まだ紅葉していない「青もみじ」もあります。ときには「もみじ」の葉を虫にかじらせたり、自然の中で見つけた遊び心も織り交ぜています。「虫食いもみじ」を見つけたお客様は、思わず顔がほころばれますね。
名称 | いろえ工房 |
窯主 | 鷹巣 陽 |
住所 | 〒849-2305 武雄市山内町宮野1829-8 |
電話番号 | 0954-45-2000 |
FAX番号 | 0954-45-2000 |
営業時間 | 10:00〜18:00 |
定休日 | 火曜日 |
URL/SHOP | https://www.iroe.net |
「虫食いもみじ」のように、お客様が思わず笑顔になるような仕掛けのある絵柄もご好評を頂いています。
たとえば、蓋つき湯のみの5客セット。一見すると“白一色の無地の蓋つき湯のみ”に見えます。でも、蓋を開けてみれば、蓋の裏側に1客ずつ違う、色鮮やかな花の絵柄が現れます。第一印象がガラリと変わる蓋つき湯のみにお客様はびっくりされますよ。
普段の食事にしても、ティータイムにしても、お気に入りの器が一つあるだけで、特別な時間になりますよね。繊細な絵付けの器に、もう一つ遊び心をプラスすることで、器を通して会話が弾んだり、楽しい時間を過ごしていただければいいな、と思って作っています。
武雄の窯元はそれぞれに個性があって、それぞれの思い入れで焼き物をやっているから、有田なら有田焼、唐津なら唐津焼、という定義ができないのが良いところです。焼き物を見るだけでなく、お客様が実際にこの場所を訪れてみて初めて、このエリアの良さを感じていただけると思います。焼き物だけでなく、景色も作者の人柄もそれぞれで楽めると思います。
洋服を買う時、何軒も何着も見比べてやっと自分に合う一着を見つけるように、器もいろいろ足を運んでみて初めて自分の好きな店、琴線にふれる器との出会いがあると思います。
また、いろえ工房のギャラリーでは2カ月に1回、10日間だけ営業する「十日喫茶」という食のイベントを開催しています。器の使い方をお客様に提案しながら料理を楽しんでいただいています。まずは料理と器の組み合わせを目で楽しんでいただいて、次に食事を味わっていただくと、器の新しい魅力や使い方を発見してもらえます。料理に興味のある方は、器にも興味を持ってもらえます。
食事を出すようになってから、お客様によく質問をいただくようになりました。この器はどう使うと良いか。何を盛ると良いか。こんな器を作ってくれないか。気軽にご相談いただればと思います。